わたしはわたしのままで
| 2026.02.24 更新朝の電車で、
自信ありげに仕事の話をしている人がいた。
「このプロジェクトはさ」
「俺の判断でさ」
まるで自分の仕事が社会を動かしているような、この街の中心にいるような、そんな確信を持った声だった。
きっと本気なんだと思う。
その誇りは、嘘じゃない。
でもその一方で、
人の生活を支えているはずの
ソーシャルワーカーのような仕事が、
絶対に必要なのに、
静かに、報われないまま存在している。
命の近くにいる人が生活の不安と隣り合わせで、
誰かの毎日を整える人が自分の毎日を整えきれないまま働いている。
社会は、
価値の重さと
報酬の重さが
きれいには重ならない場所でできている。
光が当たる役割もあれば、影の中で支える役割もある。
音を立てて回る歯車もあれば、気づかれないまま土台になるものもある。
それでも、
わたしたちは
目立つものを基準にして、
比べて、
遅れている気がしてしまう。
足りていない気がしてしまう。
でも、
この街はきっと
誇らしげな声だけでは回っていない。
名前のつかない役割や、評価されない支えや、
見えない優しさで、今日も静かに、
崩れないように保たれている。
そう思ったとき、
少しだけ、力を抜いてもいい気がした。
大きな歯車じゃなくてもいい。
中心じゃなくてもいい。
誰かに説明できる価値じゃなくても、ちゃんと、ここにある役割もある。
急いで証明しなくてもいい。
無理に輝かなくてもいい。
今日を支えているものは、きっともっと静かで、もっと目立たないものだから。
だから、
少しだけ安心して、
そのままでいようと思った。
わたしは、私のままでいい。





