あの頃にはきっと戻れない
| 2026.02.28 更新春
春になると、新しい始まりみたいな空気が流れる。
昔はそれだけでワクワクしていた。
新しい服。
新しい場所。
新しい出会い。
何かが始まるだけで、それが楽しかった。
でも今は、春の空気を吸ってもどこか落ち着いている。
期待よりも、現実が先に浮かぶ。
同じ桜を見ても、
あの頃みたいに無邪気にはしゃげない。
綺麗だな、とは思う。
でも、少しだけ距離がある。
あの春を楽しんでいた自分には、もう戻れない。
夏
夏は、理由もなく特別だった。
ただ暑いだけなのに、何かが起こりそうな気がしていた。
夜が少し長く感じたり、帰り道が少し楽しかったり。
無駄な寄り道さえ、思い出になっていた。
今は、暑さはただの暑さで。
予定のない夜は、少しもったいなく感じる。
同じ夏なのに、過ごし方が変わった。
何もない時間を「楽しい」と思えなくなった自分に
ふと気づく。
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秋
秋は、少しセンチメンタルな季節だった。
理由もなく、懐かしい気持ちになる。
昔はその感覚すら楽しんでいた。
物思いにふける時間が、どこか心地よかった。
でも今は、考えすぎないようにしている。
忙しさに流されて、深く立ち止まらないようにしている。
同じ風の冷たさなのに、感じ方が違う。
あの頃は、立ち止まる余裕があったんだと思う。
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冬
冬は、誰かと過ごす理由をくれる季節だった。
寒いね、って言い合うだけでなんだか温かかった。
イベントも、イルミネーションも、ただのきっかけだった。
今は、
静かな冬が増えた。
誰かと過ごすより、ひとりの時間を選ぶ日もある。
それが悪いわけじゃない。
むしろ、
落ち着く。
でも、
ふと気づく。
冬の感じ方も、変わってしまったことに。
⸻
そして今
春も、夏も、秋も、冬も。
同じ季節が巡っているのに、感じ方は少しずつ変わっている。
昔楽しかったことが、同じようには楽しめなくなっている。
でもきっと、
それは失ったんじゃなくて、
変わっただけ。
だから思う。
今の楽しいを、全力で楽しんでおいた方がいい。
この春も、
この夏も、
この秋も、
この冬も。
今の自分で感じられる季節は、今しかないから。





